骨髄は骨の内部に存在するスポンジ状の組織で、その中に多くの造血細胞(白血球・赤血球・血小板のもとになる細胞)が含まれています。
骨髄移植はドナーに全身麻酔をして注射器で骨髄液を吸引し、採取した骨髄液を患者の静脈へ点滴で注入する治療法です。
太い神経であるせき髄に針を刺すことはありません。骨髄液は腸骨(腰の骨)から採取します。
末梢血(全身を流れる血液)には造血細胞はほとんど存在しませんが、白血球を増やす薬(G−CSF)を注射すると、末梢血中に流れ出します。
採取前の3~4日間、連日注射し造血細胞が増えたところで、血液成分を分離する機器を使い造血細胞を採取し、骨髄移植と同様の方法で患者さんに注入します。
血液は骨の中(骨髄)で作られています。
何らかの原因で骨髄に異常が起きると、白血病や再生不良性貧血等の血液の病気になります。
毎年5万人が血液疾患に罹っています。
あらかじめ患者さんの異常な造血細胞を抗がん剤等で死滅させ血液が全く造られないようにしておいて、ドナーから採取された骨髄液(造血細胞)を静脈から点滴で移植します。これを骨髄移植(造血細胞移植)といいます。
患者さんの抵抗力が弱っているので無菌室で行います。
移植されたドナーさんの細胞は、患者さんの体の中で、新たな細胞を造り始め、次第に患者さんは体力を回復していくのです。
骨や臓器の移植ではなく骨髄液(造血細胞)の移植です。
移植が成功するには、患者さんとドナーのHLA型が適合することが条件です。
HLA型とは白血球の型のことで、遺伝子(DNA)を検査して調べます。HLA型は両親から受け継ぐため、兄弟姉妹間で適合者が見つかる確率は四分の一ですが、非血縁者間では数百~数万分の一という非常に低い確率になってしまいます。
そのため、一人でも多くの患者さんを救うためには、一人でも多くのドナー登録が必要です。